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「舞はとピンクと黄色、どれがいい?」
杵渕家にて初めての双子だったこともあり、
珍しいのか、よく親族がお揃いの洋服を買って持ってきてくれたりした。
黄色い、ヒマワリがついたワンピースと、
デザインは同じで
チューリップがついたピンク色のワンピース。
" どちらでもいい "と
先に言ったサクラは、
久しぶりに会ったおじさん達に抱っこされて少し迷惑そうな顔をしていた。
私は
チューリップが好きだったから、
「こっち」
とおばさんに、ピンク色のワンピースを指差して返事をした。
おばさんは、
とても意外そうな声を出す。
「ほんとに?
舞ちゃん、男の子みたいだから、
てっきり黄色を選ぶかと思ったわ!」
5歳の私。
小さかったけど
「ねぇさんも、そう思うでしょ?
舞ちゃんは黄色が似合うって!」
じゃあ、聞かなきゃいいのに……って
思ったの、覚えてる。
別に私は髪が短かったわけでも、
おてんばだったわけでもない。
ただ、
可愛らしさに欠けた顔立ちだっただけ…
「舞はピンク色も赤も似合うのよ。」
お母さんは、楽しそうに頂いた服を私にあてて、
「サクラも舞も可愛いよ、似合うよ 」
と、2人同じようにいつも誉めてくれた。
だから
小さいときは、顔の似ていないことは、さほど気にならなかったし
サクラを羨ましいなんて思ったことはなかった。
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