永遠に

11/34
前へ
/34ページ
次へ
………いつからだろう? 中学? 自分の顔がキライになったのは…。 " サクラちゃん綺麗になったなぁ " " えっ双子だったんだ!年子の姉妹だと思ってた!" 他人に浴びせられる、容姿の違いを指摘する言葉。 自分の顔だけじゃなく、 サクラまでキライになりそうだった思春期……。 先に さなぎ から 美しい蝶になったサクラが とても羨ましかった…____ 「止めて______!」 私は ずっと憧れていた美しいサクラの顔に、 剛が振りかざしたナイフが触れる、 その前に サクラを 抱きしめたかった。 「舞!!」 私たちは、 どんなに容姿や性格が違っても、 お父さんやお母さんに同じように愛情をもらったんだから、 人の愛し方は同じなのかもしれない。 同じ人を好きになったとしても 不思議じゃない。 「舞!舞!舞っ…」 サクラの泣く声なんか 聞きたくない。 「………この女………バカすぎる……」 私は ナイフに切りつけられた背中に走る鋭い痛みが、 まだ生きている証なんだと思った……… 『足じゃなくて、よかった…』
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加