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剛は、
サクラに覆い被さるように倒れた私の背中にできた刺し傷と流れる血を見て、
「サクラ、バカな妹 埋めるから
………穴、掘れ」
やたら興奮しているのか
息が荒くなっているのが分かる。
「い……いやよ、掘らないわよ!」
サクラが不自由な手で、私を抱き締めるように泣く姿さえも、
剛には性的興奮を覚える要素らしい。
「いいさ、俺が掘って埋めてやる、舞もあいつも……そして二人きりだ」
剛は動けないモヒカンも裏切るつもりなんだ。
「舞、舞、しっかりして!!」
だんだん
体温が奪われて………
痛みと
襲ってくる眠さとの狭間に見る、暗闇のなか剛がスコッフで穴を掘る光景は、
まさに
昔話の鬼が金棒を振りまわして、
暴れている挿し絵みたいに見えてきた。
「あ?あれっ?
いないっ!!なんでだっ?」
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