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「光くん!!」
私は暗闇のなか、放置されたスコップを見つける。
雑草が、そこだけ異常に少ない。
きっと、あそこだ!!
私は数メートル先を目指して手を伸ばした。
「ここ掘れワンワンかよ?」
ガシッと、その私の手を剛が再び掴む。
「……なんで、こんな事するのよ?
光くんがあんたに何をしたのよ?
なんで次々罪を犯すのよ?!」
…………鼻水と
涙が
大量に出ちゃって
自分でも汚い泣き顔だなって思う。
「うるせぇ女だな」
剛はやはり笑いながら私の手を紐で縛り始めた。
「ちょっと楽しんでから埋めてやろうと思ったのに、
気が変わった」
………汚いけど
こいつの
澱んだ心より、マシ……
「早く埋めなさいよ、
光くんの横に埋めなさいよ」
………………光くん、
どうか
まだ
生きていて
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