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「おい、また掘れ」
剛が車からサクラを引っ張り出したモヒカンに指示をする。
「はっ?だから、何で俺が!?たまには自分でやれよ!」
私と同様、泣き続けるサクラを
背後から抱きしめているモヒカン男。
「てめっ、!カスが!サクラにさわんじゃねえ!」
剛は激しい蹴りを入れて倒れさせてしまう。
私の紐を引っ張ったままだったので
紐が食い込み、とても痛かった。
「……くそ…」
サクラは再び剛の腕の中におさまってしまう。
「早く……ふたりきりになりたいよな
邪魔なやつは、さっさと消して…」
そう言って、涙を流し続けるサクラに興奮を覚えた剛は
サクラの耳元を舐めるように囁き続ける。
「何をしたら
お前は、一番悲しい?
何をしたら
お前は泣き叫ぶ?」
" サクラの泣き叫ぶ声が快感だった。"
好きなものを
恐怖で支配するだけしかできない、
歪んだ
哀れな男………
「妹と彼氏、一緒にオネンネさせような」
楽しそうに笑いながら
剛は、サクラさえも紐で拘束し、
倒れ込んだままのモヒカンの髪を掴んだ。
「舞の方、好きなようにしていいから、
さっさとその後埋めちまえ。
俺はそれをサクラと見学してる」
再び 背筋が凍る………
すっかり暗くなった空に
怪しい月が 半分顔を出していた。
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