第1章

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学校から帰宅すると家の郵便受けに黒い箱が乱雑に突っ込まれていた。 「またか……」 俺はため息をつき黒い箱とその他の郵便物と取り出し家に入る。 『おかえり』 もしかしたら友達の御石君に貸したDVDが返ってきたとか、隣のクラスのゴスロリ少女天手川さんからのラブレターだという可能性を否定してはいけない。 とは言っても十中八九ロクでもないものであると断言してもいいだろう。 ここ最近かなり頻繁に気味の悪い出来事が起こっている。とは言っても昔からなんだが、ここ最近は特にひどいということだ。 風呂場の排水溝から長い髪が大量に出てきたり、家の玄関を行き来し続ける謎の足音だったり、窓を通り過ぎていく白い霧のようなものとか。 俺はなぜか霊感が鋭いらしく妙なものをいろいろと引き寄せてしまう体質らしい。 だからたぶん……この黒い箱もその類だろう。
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