最終章 薄明

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「んー 身体洗ってるところとか見られるのは いやだな」 「わかった 少しずつだな」 「先に上がるね」 半分照れを隠したように彩夏はさっと浴室から出て行った。 秋山が浴室から出て来ると夕食の準備をしていた。 「あ 上がった? パイ 温めようか?」 「パイより 彩夏を食べたい」 秋山は自分で洗った彩夏の髪を撫で、 顎に沿って口唇を這わせてから柔らかい彩夏の口唇にキスを落とした。 「彩夏…  大丈夫?」 「う…ん  だいじょうぶだよ? どうして?」 「なんだか 今までと違ったからさ…」 「解放したほうが いいんでしょ?  自分に正直になっただけだよ」 「そうか… 彩夏の本性は スケベだったんだな」 「はっ? なんで?」 「なんでって… 自覚のないところが そうらしいな」 「…っ もう」 「さあ 腹減ったし 食べようよ」
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