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「それではゲームを始めよう」
全員が参加を表明すると「死神」はすぐにゲームの開始を宣言する。
俺達の気が変わらないうちに、とでも考えているのだろうか。
「がしりとりは最初が肝心だ。最初の解答者、そして最初に答えてもらう文字を決めなければならない。そこだけは我が務めよう」
誰も「死神」の提案に反対意見を出さない。
こんなゲームを仕掛けて来ているとはいえ、「死神」には不思議な力がある。
人を消したり、学校中のドアや窓を開かなくしたりする摩訶不思議な力。
「死神」がその気になったら俺たちなんて簡単に殺せてしまう。
それなのに、わざわざ提案に反対して反感を買う事はない。
「とは言っても酷く無難な物だ。答えてもらう文字は「り」、解答者は出席番号一番、秋月美雪だ」
「死神」の指名に全員の視線が指名された秋月さんの方に向く。
クラスでも大人しい部類に入る彼女とは俺もあまり接点がない。
話した事も何度かあるかなくらいだ。
「それではこれよりゲームを開始する。死のゲーム、肢離頭離開始」
「死神」の宣言すると「死神」の映像が消え、タイマーが画面に表示された。
カウントは五分から徐々に減り続ける。
しかし誰もその場から動けなかった。
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