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どう動くべきなのか分からなかった。
一体何をするのが正しくて、何をしたらいけないのか。
映像に映っていないとはいえ、「死神」は今この瞬間も俺達の様子を伺っているだろう。
「とりあえずみんな、指定された席に座ろう。秋月さんは教壇に上がって」
雄吾の言葉で解き放たれたようにそれぞれ動き出す。
俺達はまず自分の指定された席を探した。
視聴覚室はプロジェクターの後ろに長机が並べられた教室だ。
長机にはそれぞれ三人分の椅子が置かれている。
これは机に近付けばすぐに分かった。
名前の書かれたプレートが所謂出席番号順に縦に並べられているのだ。
それぞれに自分の名前を探して席に座る。
俺の席は横に四列ある長机の入り口側から二個目、前から二番目の席だった。
「あ、泰聖の隣だ。良かった」
正面からみて長机の左側に座った俺に対し、右側に座ったのが御影だった。
俺としても御影が隣にいるのは心強い。
「変な事になったな」
「うん。でも大丈夫だよ」
御影の確信したような強い呟き。
その理由は俺にも分かっていた。
それはこのゲームのクリア条件にある。
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