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「……なぁ。何で見てくれねぇの?」
見ろよ。
ちゃんと、俺のこと見ろよ。
いや、ツカはちゃんと俺のこと見てる。
友達として、親友として、幼馴染みとして、いつだって俺のことを見てる。
馬鹿。馬鹿だよお前。
俺がお前をどんな風に思ってるか、なんにも知らない癖に。
俺がお前に何をしたいかなんて、なんにも知らない癖に。
そんな風に可愛く笑うな。
俺に触るな。
名前を呼ぶな。
近付くな。
俺は、彼の両の腕を押さえつける。そうして、唇を塞いで、舌を絡めて、呼吸を遮ってやる。
このまま舌を噛まれて死んだって、いいんだ。
――陽射しが、白いカーテンを通して部屋を照らしていた。
……朝か。
それにしても、暑い。クーラーは夜中切れるように設定してあるから、朝は猛烈な暑さの中目覚めることになる。
一階で、母が何かを叫んでいる。大方「たまには早起きしなさい!」とか、説教染みたものだろう。
俺は重い上体を起こすと、下半身に目を落とした。
いつものことだけど、やはり慣れない。パンツの中のぬめりは、汗なのかそうじゃないのかも区別がつかない。
夢精ってのは、本当にみっともない。子供の頃のおねしょとは全く違うのだ。
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