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蝉の声と同時に突然、澄んだ綺麗な声が耳に届いた。
……誰だ?
いや誰だって、一人しか居ないじゃないか。
存在感の薄い、あいつだ。
俺は振り返った。気だるそうな顔をして、女子生徒を見やった。
彼女は何故か、笑みを浮かべている。
意味深な笑み。苛立ちを覚える笑み。
何が可笑しい?何で笑ってる?
そう問いたかったが、俺の声は次のこいつの台詞に遮られた。
「……それで? いつから好きなの? 赤穂君のこと」
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