隠し子!?

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俺に根気よく剣術を教えてくれたのは兄貴だ。 「来いよ。でなきゃこっちから行く!」 奥にはもう部屋はねえ。 葛西が顔をひきつらせ、がむしゃらに突進してくる。 「しね、やっ!」 「バカがっ!」 ドスッ 鈍い音がして葛西の肩に刃が埋まった。 「ぐ、」 斬り捨てたはずの体からは血の一滴も出ない。 かわりに口端から血混じりの唾を吐いた。 「肩と胸の骨を砕いた。……後は、わかってるな榊」 「はい」 「仁、雑魚の始末はおまえに任せる」 睨み付ける眼差しと罵声。動けもしない葛西が発狂したように呪いの声をあげる。 「連れていけ。もう二度と俺の前に現れねえようにしろ」 「はい」 守るものがある時の兄貴の目は鋭い。 その目が振り返って颯太の隣に座り込んだ知里を見ると途端に和らいだ表情をした。 「……知里」 6年前に姿を消した兄貴の想い人。
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