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「……葛西が颯太の父親のことに気づいて……大神空に復讐できるって」
颯太の父親が兄貴だと知里がその名を認めた。
「……一番、安全なところに逃がしてたかったの」
別れた兄貴には絶対に預けられなかったから、大神組に。
それでか。やっと謎が解けた。
「……颯太を逃がして、しばらく友人のところに身を隠して、それでもう大丈夫かとアパートに戻ったら…あの男に襲われて」
乱入してきた男たちに引き摺りだされた知里を老夫婦が見たんだ。
「あの、くそヤロー」
ぎゅっ
ふたりの背中を抱きしめる腕が怒りで震えた。
荒い息を何度も繰り返しすでに捕らえた葛西を睨み付けた。
葛西の行く末は決まってる。
「……知里、颯太は俺の子だな?」
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