プロローグ。そして、エピローグ

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永い、永い時間を生きてきた。 それこそ、永劫とも思える時を。 いくつもの国が興り、滅んでいった。 いくつもの命を看取ってきた。 大陸の形も変わった。 新たな島が生まれることもあった。 あと、どれだけ生きられるのか。 あと、どれだけ戦えるのか。 もうすぐ、この体は滅びる。 もう一度、彼らと対峙できるのだろうか。 対峙したとして、なにかを変えられるのか。 また、繰り返すだけなのではないか。 滅びる前に、世界を変える切っ掛けを見つけたかった。 ずっと、探している。 そのための旅だった。 残された時間は、いかほどだろうか。 数ヶ月だろうか。数年だろうか。数十年だろうか。 時間の感覚が、おかしくなっている。 以前から、感じていることだ。 瞬きするほどの間に、一年が過ぎているような気もする。
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