プロローグ。そして、エピローグ

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「君たちの、名前は?」 二人とも、まだ十代だろう。 十代のいくつかは、わからなかった。 余りにも多くの人を見てきて、逆に人の年齢を当てることができなくなっていた。 「ドラウ・パーター」 本を読んでいた少年が名乗る。 「ストラーム・レイル」 身を起こした少年が名乗る。 彼は、身震いをなんとか押さえ付けた。 私は、見つけた。 私は、わかった。 私は、解けた。 この二人こそが、彼が探していた者たちだ。 世界を変える切っ掛けとなる少年たち。 「院長に、会いたいのだけど」 「あっちに」 少年たちが、孤児院の建物を指す。 彼は、頷いた。 院長に会って、話をしなければ。 この少年たちを、引き取るために。 そして、二人に話していこう。 彼の、永劫とも思える長い長い物語を。
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