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「来て」
静まりかえった夜。大聖堂の中で神の前に跪く少女がポツリと言葉を発した。
「いーけないんだ」
音もなく後ろに現れたそれは、楽しげに喉の奥でクツクツと笑う。少女は困った顔をして信仰する神の彫像を見上げた。
「教会が言うように全てが平等だというのならば、私があなたに会うのも罪ではないはずだわ」
「“全て”は、人間の全てって意味じゃなかったっけ」
「けど、聖書には“全て”としか書かれていないわ。解釈は自由よ」
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