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「「「シャァーッ!」」」
「うわっ!?」
一体のモンスターが襲ってきて尻もちをつく僕。その時、そのモンスターの横に『Lv3 ブライアウィーゼル』と表示された。なんだこれ!?
「シャァーッ!(チュイン!チュイン!)」
「ひぃっ!?なんか撃ってきた!?」
なんとか立ち上がって逃げる僕に、ブライアウィーゼルが光弾を数弾放ってきて、その一つが僕の足に当たった。
「あうっ!」
ドシャっと倒れると、また目の前になにかが表示された。
今度は、『Lv1 付与術師 アオイ HP100/350 MP500/500』と書かれている。
「これって……、もしかして、ステータス画面……!?」
もうここまできたらここはゲームの世界だと信じるしかなくなった。なんたって、モンスターの情報表示にいまのステータス画面。間違いない、ここは僕たちが始めたエルダーテイルの世界だ。
なんでこんなことになったのか分からないけど、でも、確かに僕は今ここにいる。冬弥と三ッ峰はどうなったのか分からないけど、多分、ここにいる。
「まぁ、いまさら気づいても遅いか……」
近くにあった木に寄りかかり、現状を確認する。
今、僕の目の前にいるのは三体のブライアウィーゼル。しかも牙を剥きながら今にも僕に襲いかかろうとしている。
あぁ、もしかして死ぬのかな?僕。こんな知らない世界のところで誰にも知られずに独りで……………
「……って、それはダメだ!」
「「「シャッ!?」」」
ちょうど襲いかかってくるブライアウィーゼルをくるりと回転して攻撃をかわす。
今ここで死んだら、冬弥とも三ッ峰とも会えなくなる!それだけは絶対に嫌だ!
「はぁ、はぁ………僕はまだ二人と一緒にいたい!こんなところで……死んでたまるか……!」
体がフラフラして意識も朦朧としている。正直言ってすごいピンチだけど、何とかしてみせる……!
僕は杖を構え、さっき一瞬だけ見えた魔法を口にした。
「アストラル・バインド!」
すると、杖の先が光って、その光がツタのように伸びて三体のブライアウィーゼルを拘束した。
「「「ギギィッ!?」」」
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