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「あー、もしもし?みんな、準備は出来てる?」
ところ変わってここは葵の部屋。構造はいたってシンプルで部屋の端っこにある机のうえにはパソコンで占領されていて、そのとなりには本棚が置いてありライトノベルと漫画本が大量に並べてある。
そして、その後ろにはベッドがしかれており、壁にはアニメのポスターが貼ってある。
『あぁ、出来てるぞ』
『こっちもオッケーだよー』
「よし、じゃあ早速始めようか。え~っと、まずはゲームにログインして……と。あ、インストールが始まった」
『それにしても、俺たちはともかくとして、葵ちゃん家よくこのゲーム許してくれたよね。月額制だし。どんな手を使ったの?』
葵の家はあまり裕福とは言えない家庭である。このゲームは月額制だから、あまり裕福な家庭ではない葵にとって厳しいゲームかもしれない。
「ん?簡単だよ。ただ単にお金は自分で稼ぐからお願いしますって土下座したら許してもらえた」
『そこまでしてやりたかったのか……』
「当然!」
『とうことは、葵ちゃん、バイトかなんかやってるの?』
「うん。え~っと、今やってるバイトは……朝の新聞配達にファミレスのバイトと書店のバイトやってるかな」
『結構多いな!?お前、それで倒れたら元も子もないぞ……?』
毎朝四時起きの新聞配達に、午後はファミレスと書店のバイト。普通だったら一週間で倒れるレベルだろう。
「大丈夫大丈夫!僕、丈夫だから!」
『どうりで最近一緒に帰る時間が少なったわけだよ……、俺、結構寂しかったんだけどな~………』
三ッ峰がわざとしょんぼりした様な声を出す。でも、葵があまり2人と一緒に帰っていなかったのも事実だから、あながち嘘ではないのかもしれない。
「う………。特に2人には言う必要なかったかなって思ってさ。ごめん………」
『いやいや、謝らなくて大丈夫だよ。ただ、その代わりに葵ちゃんの頭を撫でることができたら俺はそれで満足だから』
三ッ峰はいつになくいい声でとんでもないことを言い出した。
そのせいで葵は飲んでいた水を危うく吹き出しそうになった。
「僕は絶対に嫌だからね!?なんで三ッ峰に頭を撫でられなきゃいけないんだ!」
『そりゃ、可愛いからに決まってるじゃん!』
「そんなことを真面目に言うな!」
『ほんと、お前ら2人は仲良しだな……」
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