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「っ!」
目が覚めると、一面見渡す限りの青空が広がっていた。
立ち上がろうと手に力を入れると妙な感触がした。って、コケが生えてる……。
コケの嫌な感触を我慢して立ち上がると少しだけ目眩がして危うく倒れそうになった。
「ここは………どこ?」
辺りを見渡すと、ヒビが入っている大きなビルや車がコケに覆われていて、緑が沢山あった。
綺麗なところだな………。
ていうか、なんでこんなところにいるんだろ?
確か僕は冬弥たちとエルダーテイルを始めるためにスタートのアイコンをクリックして……そこからどうなったんだっけ?
「もしかして、ここエルダーテイルの世界?はは、まさかね……」
アニメやラノベとかだとよくある展開だけど、残念ながら僕たちのいる世界は現実だ。
でも、この世界は現実とは大きくかけ離れているな~……。いかにもファンタジーって感じがするし。
となると、やっぱりここはエルダーテイルの世界?
冬弥たちと一緒にスタートを押して、気づくとここにいた。思い当たる節と言ったらこれしかないからな~
「……ここにいてもしょうがないな。とりあえず歩いてみるか」
僕はこのよくわからない世界を歩いてみて回ることにした。
「う~ん、散策しても全然ここがどこかわからないな~……」
とりあえず最初いた場所から目の前にある道を進んで十分。進んでいけば行くほど木が多くなっていって、森みたいな場所に進んでいってる気がする……。
そして、一つ気づいたことがある。それは、僕の姿がエルダーテイルのキャラクター作成で作った姿と酷似しているのである。
着ている服は白い無地のフード付きロープで、その下には薄着の青色の服を着ていた。
そして、手には僕の背丈の半分ほどの木製の杖を持っている。
これは、僕がキャラ設定した状態の姿と全く同じで自分でも少しびっくりしている。
「やっぱり、ここはエルダーテイルの世界なのかな……」
そう呟いた瞬間、
ガサッ。
「っ!?」
近くにある草むらが揺れて思わず杖を身構える。
すると、そこから三体の尻尾に茨がまとわりついているイタチのようなモンスターが現れた。
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