真朱の赤い糸

第四章

「この人と、よりを戻したいんです」

言っている内容はほとんど今来た女性と変わらないはずだった。

が、当たるも八卦当たらぬも八卦という言葉など聞きたくもないとでも言うふうに思いつめた目で、少女は紫苑を見ていた。

占い師に、そんなこと言ってもねえ。

私は幾分冷めた目で少女を見る。

それでも、スカートを握りしめた彼女の手が細かく震えるのを見れば、こちらも手を抜こうなどという気はなくなった。

「じゃあ、名前を書いて。そう、それと誕生日も」

紫苑の言葉が終わらぬうちに、もう紙をペンが滑る音が聞こえだした。

滑るというよりも、押し付けると言ったほうが正しい表現なんじゃないかと思うほど、少女はペンに力を込めている。

ゆっくりと紙に浮かび上がった線は、角のない丸い文字だった。