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「そんな無責任なこと言わないで、どうにかしてよ!」
少女は思いつくままに紫苑に罵声を浴びせる。
が、紫苑のほうは、言われれば言われるほど冷静になって彼女をなだめるものだから、とうとう怒りが頂点に達したらしい少女は、力任せに紙を引き裂いてしまった。
それから、急に力が抜けてしまったというふうに椅子に崩れ落ちた。
私は、何も言うことができなかった。
紫苑が立ち上がると、少女の脇に回って、囁くようにして慰めの言葉をかける。
「もちろん、占いは100パーセント当たるわけじゃないのよ。
あなたの努力次第で、どうにかなることもある」
一瞬、少女が泣き出すのではないかと思ったけれど、彼女は泣く気力さえも失ってしまったようで、一粒の涙さえも見せない。
きっと、家で散々泣いていたのだろう。
文字通り、涙の枯れるほど。
そう思うと哀れに思えて、再び膝の上に垂れたままの糸に目を向けてしまった。
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