第一章

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通り過ぎていく人は、様々だ。 店の前までやってくると、急にスピードを落として、何度も中をチラチラ窺いながら、歩いていく人。 通り過ぎたかと思うと引き返してきて、恥ずかしそうに中を覗く人。 友達同士でわいわいやりながら、駆け込んでくる人。 もちろん全く興味を持っていない、せかせかと歩いていく人もいる。 そんな人たちを眺めていたところで、不意に、一人の青年と目があった。 大学生くらいだろうか。 背が高く、頭を下げるようにして窓から顔を覗かせる青年は、幾分こけた頬をひきつらせている。 彼がいたずら半分に覗き込んできたわけではないということは、すぐに分かった。 その証拠に、青年は値踏みするように中を見回した後、ゆっくりと窓から離れたかと思うと、すでに並んでいるカップルの隣で足を止めたのである。 こういう客も少なくない。 特に男性客は、占いの店には入りにくいのかもしれない。 私は、その青年が落ち着かなげにキョロキョロとあたりを見回しているのを見ながら、女の子が弾むような声を上げるのを聞いていた。
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