《15》

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旭がぶつかったのは、鍔のある帽子を深く被った女性だった。 その細い腕には、小さな女の子を抱いている。 「ウチの息子がすみませんでした。お怪我はないですか?」 鼻を押さえる旭にも「ほら、ごめんなさいは?」と、謝るよう促した。 「………ごめんなさいぃ…」 後ろからやっと追い付いたひなたが「……大丈夫?」と、心配そうに聞いてくる。 「あ、私なら大丈夫です。軽くぶつかっただけなので」 女性の声を聞いて、ん?……と思った。 「ボク、大丈夫だったかな?お鼻痛くない?ごめんね、おばちゃん避けられなくて」 子供を抱いたまま、その場にしゃがみ、旭と目線を合わせながら言う女性の声。 それに、デジャヴらしきものを感じた。
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