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大勢の来場客の中から息子が引き当てたのが、過去の恋の相手だなんて…
一体、何百分の一の確率なんだろう?
「久し振りだね……」
「そうですね…」
まるでドラマの様な再会に、こんな事もあるんだな……と、苦笑い。
「……私、旭連れて先に行ってるね?」
「あ、うん……」
変に利かせなくてもいいのに、何かを察したらしいひなたが旭を連れて先へと進む。
それを見送ってから直井さんが俺に向かって微笑む。
「可愛らしい奥様とお子さんですね」
「あっ、はは………ありがと。なんか恥ずかしいな…」
社交辞令だろうとは思いながらも身内を褒められれば悪い気はしない。
「まさか、こんな所でお会いするとは思ってもみませんでした」
彼女が言う、こんな所で……というのは、期間限定で開催されている男の子向けおもちゃ販売のイベント会場で、という事。
「子供にどうしてもってせがまれちゃって……直井さんのとこも?」
聞いてから、あぁ、そうだ……と気付く。
「………ごめん、もう“直井さん”じゃないよね」
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