《15》

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「思い出した!」 直井さんの御主人は嬉しそうに笑う。 そして、得意気な表情で、尚且つ俺に向かってビシッと人差し指を向けながら 「スーパーひさし君じゃねーの!」 謎の言葉を口にした。 当然、こっちは「……え?」となる訳で。 「いやー懐かしい。久々ご登場だな、スーパーひさし君」 「は、はぁ……」 「何だ?スーパーひさし君も、おもちゃ買いに来たのか?」 「え、えぇ………まぁ…息子にせがまれまして…」 「息子?!おお、スーパーなひさし君も所帯持ったのか?………って、あれから何年も経ってりゃ持っててもおかしくないわな」 俺、この人と知り合いだったっけ?と首を傾げたくなるくらい、直井さんの御主人は、何故かやたらと馴れ馴れしい。 不快になる程ではないにしろ、俺としては、彼が頻りに口にする“スーパーひさし君”というのが気になる。 「ちょっ………晃人さん、黙ってて下さい」 「あ?」 「お願いですから」 苦虫を噛み潰したような顔をして御主人に抗議する直井さん。 「というか、後からすぐに追いかけますから先に行ってて下さい」 「………わーったよ」 御主人は、直井さんからの要請に面白くなさそうに了承すると、彼女の抱いている女の子に向かって手を伸ばした。 「おいで、凪。パパとお兄ちゃん達と先行こうな」
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