12665人が本棚に入れています
本棚に追加
御主人の背中を見送った後、直井さんは申し訳なさそうに眉を下げる。
「すみません………ウチの主人、無神経なもので…」
「あ、はは……気にしないで。ユニークな旦那さんだね」
「口を開くといつもあんな感じで……本当にすみません…」
「大丈夫、気にしないで」
とは言いつつも、気になるのは“スーパーひさし君”の件。
「ところで……スーパーひさし君って…?」
俺の疑問に、直井さんはこれまた苦い顔のまま答える。
「彼が勝手につけたアダ名というか………まぁ……色々と残念な人なんです」
「そ、そうなんだ……もしかして、彼が、例の恋していた相手だったの?」
俺が聞くと、彼女は口の端をひくつかせながら頷く。
「………えぇ、不覚にも」
その返事に、どこかホッと胸を撫で下ろしている自分が居た。
「ん………そっか…」
最初のコメントを投稿しよう!