《15》

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御主人の背中を見送った後、直井さんは申し訳なさそうに眉を下げる。 「すみません………ウチの主人、無神経なもので…」 「あ、はは……気にしないで。ユニークな旦那さんだね」 「口を開くといつもあんな感じで……本当にすみません…」 「大丈夫、気にしないで」 とは言いつつも、気になるのは“スーパーひさし君”の件。 「ところで……スーパーひさし君って…?」 俺の疑問に、直井さんはこれまた苦い顔のまま答える。 「彼が勝手につけたアダ名というか………まぁ……色々と残念な人なんです」 「そ、そうなんだ……もしかして、彼が、例の恋していた相手だったの?」 俺が聞くと、彼女は口の端をひくつかせながら頷く。 「………えぇ、不覚にも」 その返事に、どこかホッと胸を撫で下ろしている自分が居た。 「ん………そっか…」
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