12665人が本棚に入れています
本棚に追加
「田嶋さんも中々言いますね」
「そう?本当の事を言ったつもりだけど?」
「………なんか、キャラ変わりましたね」
「そりゃあ、辛い失恋を経験した分、メンタル強くなったからね。性格にも影響出てるんじゃない?」
「うわ………すっごく嫌味…」
嫌味の応酬を繰り広げては、二人して顔を見合わせ、声を大にして笑い合う。
それから、間が空いた所で「直井さん」と、再度彼女の名を呼んだ。
かつての恋の相手を真っ直ぐに見詰めると、俺は一度深く息を吐いた。
「………俺を振ってくれて、ありがとう」
直井さんは、小さく噴き出した。
「本当、嫌味」
「うん、しかも棘付き」
しれっと言ってのけると、彼女は「あはは……胸に刺さります」と、また無邪気に笑った。
最初のコメントを投稿しよう!