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直井さんと別れ、先へ進んだひなたと旭と合流した。
「ごめん、つい長話しちゃって…」
「もう良かったの?」
「うん」
旭は、ガラスケースの中で動く、見本の電車のおもちゃに夢中になっている。
「おおー」とか「わー」等と一人興奮気味に歓声を挙げる旭を見守りながら、ひなたが問い掛けてくる。
「………もしかして、さっきのが“ハナ”さんだったの?」
ひなたの勘の良さに感心しながら、大きく頷いた。
「うん、すっごい久し振りだった。お互いに老けたなーって思うよ」
後々変に疑われるのもごめんだし、隠す必要も理由もないから素直に認めると、ひなたはホッとしたように「そっか」と笑う。
「なんか意外」
「ん?何が?」
「ハナさんって、思っていたより普通だったから」
言ってから、ひなたは慌てたように「あ、別に悪い意味じゃなくて……」と、打ち消す。
「もっとね、こう……超絶美人で嫌な感じの人だったのかなって勝手に思ってたんだけど……案外普通で拍子抜けってゆーか…」
「あはは……それ、微妙に失礼な気もするけど?」
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