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「い、いや、そんなつもりは…」
焦るひなたに笑いながら「でもね……」と、切り返す。
「普通っぽく見えて、結構変わってたな彼女。知れば知る程嵌まっていく、奥深い所が良かったんだよね……」
「…………」
「なんて、見事に振られちゃったけど」
過去の事だと笑う俺に、ひなたが心配そうに言う。
「………大丈夫?傷口……開いてない?痛くない?」
その問いに、彼女の不安に満ちた表情とは真逆の笑顔で答える。
「全然平気。傷なんてもう消えてるよ」
ひなたの不安が吹き飛ぶよう、彼女の頭をそっと撫でた。
「万が一また傷付くような事があっても、ひなたが治してくれるだろうし」
過去の事は、過去の事。
俺が見据えし先は、ひなたと旭との未来。
二人が居れば、この先何があっても大丈夫だと思ってる。
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