100人目

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仕事が終わり、おれは車の停めてある駐車場へと向かった。 一週間仕事をやりきり、明日から休みかと思うと体を覆う疲労感さえ心地よく思える。 車のドアを開けると、昼間の日光で暖められた車内の空気が熱気となって飛び出してきたが、一日中冷房で冷やされた体にはこれくらいが丁度良かった。 運転席に身を沈め、エンジンを掛けて車を発進させる。 家へ帰る途中、レンタルDVDショップの看板が目に入り、そういえば観たい映画があったことを思い出した。 時計を見ると、午後8時半を回ったところだ。家に帰ってから映画を観る余裕は十分にある。 おれはウィンカーを出し、店の駐車場へと入った。
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