100人目

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家に帰ると、妻と子供が寝るために寝室へと向かうところだった。 「おかえりなさい。ごはん、テーブルの上にあるから」 「ああ」 おれはテーブルに置かれた料理を見て返事をする。 「パパ。おかえりなさい。何それ?」 息子が、レンタルDVDショップの袋を見て言った。 「ちょっと観たい映画があってな。さっき借りてきたんだ」 「いいなあ、ぼくも観たい!」 息子は袋を見て目を輝かせている。 「……そうか……ママが『いい』って言ったら一緒に観るか?」 「馬鹿な事言わないで! 正志もいいかげんにしなさい! 明日休みだからって、夜更かしは許しませんからね!」 おれが言い終わる前に妻の雷が落ちた。息子は口を尖らせながら、しぶしぶ寝室へと向かった。
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