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50人くらい観たところで、おれはある確信を持った。
DVDに書かれた数字、あれはこのDVDに収められている死体の数ではないだろうか? そして、画面の中の人物が観ているものこそ、このDVDなのではないか?
もう観るのをやめるべきか? いや、今更遅い。
おそらく、後戻りできないところまで来ているに違いない。そんな予感がした。ならば……。
おれは一時停止のボタンを押すと、リビングを離れ、納戸から一振りの木刀を持ってきた。
学生時代剣道をやっていたおれは、得物さえあれば、誰にも負けない自信がある。
自殺は考えられないし、タバコも酒もやらないおれは、病気による急死も考えにくかった。ならば、誰かに殺されるしかない。
もし、誰かに襲われたら返り討ちにしてやる。木刀を握りしめ、再び再生ボタンを押した。
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