辱 -ジョク-

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金属バットを振り回し追いかけてくる兄から 姉と2人してアパート中を裸足で逃げ回った事もあった。 それだけじゃない 少し膨らみかけた胸を触らせた事もある。 だから姉にも助けを求めなくなった。 この頃のアタシにとっては 姉の存在だけが唯一の救いだったから 姉にだけは同じ思いをさせたくなかった。 兄さえいなければ 母がアタシを産まなければ 要らないのならいっそ棄ててくれれば。 …消えて無くなりたい。 日々募っていくそんな思いに アタシは自身気付かない内に心を病んでしまっていたようで。 この頃から頻繁に 悪夢に魘されたり、幻覚や幻聴に襲われるようにもなった。 でもそれでも誰にも言わず耐えていたのは それで何時か消えて無くなる事ができると思っていたからだ。 早くその時が訪れますようにと願って約2年を過ごした。
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