魔 -マ-

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けれど小学3年生の頃に 同県内だが引っ越しをした際にも おじさんの姿はあった。 でもその頃には 母とは上手くいっていないようだった。 家(アパート)に顔を見せることも滅多になかったし 電話口で口論しているのを何度か見かけた。 何時だったかは 泥酔状態で現れ、怒声を挙げて暴れだし、窓ガラスを素手で割る という流血騒ぎを起こした事もあった。 けれど不思議と おじさんを怖がったり恨むような気持ちは無かった。 寧ろ、子供ながらに憐れみさえ感じていたように思う。 おじさんもまた 母に振り回された1人だから。
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