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ピンポーン
「はぁい?」
語尾が上がる癖のある、高めの甘い声。
聞きたかったあの子の声が聞こえた。
「ごめんやけど、急に来てもうた」
情けない俺の声。
驚いたようなリアクションの後、マンションエントランスのオートロック扉が開いた。
すぐにエレベーターであの子の部屋を目指す。
とにかく早く顔が見たいねん。
俺の知らないあの子の時間があったなんて、耐えられへん。
心のモヤモヤを早く消したかった。
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