碧竜の過去

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とある鍾乳洞の一角…碧色の竜がうつらうつらと微睡んでいた。 竜の名は翡翠。 ただ一匹の竜である。 人間を慈しみ、雨の恵みを与える彼にとってはそれ以上に重要なのが、悪しき竜を封印している祠の守護だーー この地がまだ、竜が沢山居た時代であった頃… 人間を慈しむ竜だけではなく、悪しき心を持った竜ーーゲリョンが現れた 彼らは実りを奪い、川を汚し、暴虐の限りを尽くした。 そんな中で困った一人の人間が一匹の雌竜、ラヴィーネに願い出た。 「ラヴィーネ様…このままでは我らは皆、死すでしょう。実りを奪われ、川には毒が流れておりまする…」 悲痛な面持ちで老人はラヴィーネに懇願した。 元の様に暮らしたいと…
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