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「失礼しまーす」
言葉を発しながら剣道場に一歩踏み入れる。
其処は熱気と、すさまじく鳴り響く打ち合う竹刀の音で溢れていた。
「うわ、すご…」
「うん。凄い気迫だね」
ポツリと呟いた私の言葉に、烈火も同意してくれる。
しばらくそのすさまじい気迫に押され唖然としていると
「ん?何だてめぇら」
さっきまで指導をしていた、黒髪の男子生徒が私達に近づいてきた。
気が付けば打ち合う竹刀の音は止んでいて、防具をつけた数人の視線が私達二人に注がれる。
「僕達、入部希望しにきたんです」
「一応剣道経験はあります」
烈火の言葉に続いて私も言葉を紡ぐ。
一方、私達二人を見た男子生徒は一瞬驚いたような顔を見せた。
でも、すぐにその表情を消しその身を翻しながら言葉を紡いだ。
「わかった。てめぇらの腕が見たい。二人で打ち合ってくれるか?」
「「はいっ」」
大きく二人そろって頷き、私達は道場へ入って打ち合うための準備を始めた。
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