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ミカは別館が大層お気に召したようで、扉を開けては「スゴイ!スゴイ!」とはしゃぎまくっていた。
最後に通したのは、沙織がお気に入りの特別室。
窓を開けて、三神の里を二人で見下ろす。
「こんなに素敵な部屋なのに使わないなんてもったいないですね~」
「私もそう思うんですけど、お客様があまり来られなくなってしまいましたからね」
「もったいないですね~もったいない」
ひたすらミカはこの言葉を言い続けていた。
自分が大好きなこの場所を素敵だと言ってくれる人がいる。
それだけで、私はとても幸せな気持ちだった。
しかし、この時、私はまだ知らなかった。
この後、私が恋に落ちてしまうことも。
そして、とんでもない未来に連れていって行かれてしまう事も……
第二話へ続く
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