教師としての小さな一歩

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「師匠?どうしましたか?考え込んで。 慣れないことをすると老け込みますよ。」 彼女は真剣な顔で問いかける。 あっ、真剣ではないかな。口元が少し上がっているし。 男は彼女の表情を見て気付いたのだろう。 途端に素敵な笑みを浮かべて小声で一言… 「これはあいつらと揃って久し振りに『叱ってあげないとな』。」 半径50mにかけて凄まじい威圧感…もとい絶望感が拡がる。 発信源は…言うまでもない。 みるみる顔が青くなり、綺麗な顔立ちの彼女も今では泣き出しそうな小さな小さな子供のよう。 叱られるってそんなに凄いことなのかな…私には分からない。 かわいそうなので私は彼を突っついてみる。 男はこれでいいんだよと笑っている。 これもスキンシップなのかな…
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