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時刻は遅いと思ったけれど、私はスマホでメッセージを作成し始めた。
私には今、
自分のうれしかった出来事を
聞いて欲しい…友達がいる。
以前の私はいわゆるお嬢様友達の…自慢話を聞くばかり。
私に自慢できるものはなかったし、自慢なんて何も面白くなかった。
恋愛に関する話と言えば、間違いなく年収の話からスタートするのだ。
年収はいくら、車はアレに乗っている、自宅はあそこで、あそこには別荘をいくつ持っている…とか。
彼女たちのリサーチ力は本当にすごい。
それを他で活かせばいいのに…なんてことは、口が裂けても言えない。
私は聞き役に徹し、興味がないことを悟られないために適度な相槌を打って感心したフリをする。
考えてみたら…
私も彼女たちに失礼だったかな…。
そんな気持ちになりながら、私は文字を打ち続けていた。
今は…
友達の話を聞くのも大好きで
自分からも…
話してみたいと思うのだ。
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