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まずは長谷部さんへ
『今日は本当にありがとうございました
私、長谷部さんのこと、誤解してたみたいで…ごめんなさい
腕にギューは無理でしたけど…
手を繋ぎました
とっても楽しかったです
またお話しします
おやすみなさい』
メッセージを送信した後、折り返しで彼女からすぐに着信があった。
『んっもう!!やるじゃないの!!うん、うん。よかったじゃないの!』
耳に流れ込む音量があまりにも大きくて、私はスマホを耳から少し遠ざけた。
「本当に…ありがとうございました」
『いいから、いいから。こうなることはわかってたの!』
「わかってた?」
『そう。あの日、営業部に菊森室長が来た時、あなたのことが好きなんだろうな…って。あんたを見て、またびっくり。相思相愛間違いなし。
あああ…私、この手の直感すごいんだよね…。
そして、その二人を結びつけたくなる…あああ、私、この性格直さないとホント結婚出来ないかも。
あ、言っとくけど、30までに結婚ていうのはホントの目標なの。絶対無理だけど。あくまでも目標だから。
あああ…いいな。
じゃ、週明け根堀り葉堀り聞くからね。じゃ、おやすみ!』
ツーツーツーツー。
長谷部さんは一気にしゃべって、私の返事を待たずに電話を切った。
確か…
おせっかい友達との女飲み。
長谷部さん、結構酔ってるみたいだった。
酔ってるみたいだけど…
私の話を聞いてどこかうれしそうだった。
うれしそうに…してくれていた。
私はそれが
とてもうれしかった。
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