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それでも、私はしつこくお願いした。
すると、ダイニングに響いた声に母がキッチンにやって来る。
「祐子、何してるの?」
私が料理を手伝いたいと言うと、母も洋子さんと同じように驚きの表情で目を丸くした。
けれど、その後の反応は洋子さんとは違った。
「…おもしろそうね。私もいいかしら?」
こうして、
私と母は洋子さんの邪魔にならない程度にキッチンに立たせてもうことになった。
きっと、洋子さんにとっては邪魔だったのかもしれないけれど、
料理が初めてなら、母とキッチンに立つのもほとんど初めてだった。
エプロンを着けた母と私。
料理の出来ない二人は大騒ぎ。
そこに奥で新聞を読んでいた父が立ち上がってこっちに来る。
「二人で何をしてるんだ?」
「お父さんはあっちで待ってて!」
「あなたは向こうで待ってて!」
父はキッチンから追いやられたけれど、
どこかうれしそうに笑みを浮かべてソファに戻った。
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