第1章

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「け……結構です!!」 ちゃんと断ったのに 「まぁ、そんなに遠慮すんな」 蓮さんは不敵で魅惑的笑みを浮かべて立ち上がった。 「ちょっ!! 蓮さん!! ケンさんが来ちゃうってば!!」 「待たせとけばいいじゃん。ケンの好物もあるんだし」 「無理!! ダメだってば!!」 ジリジリと近付いてくる蓮さんから逃れる様に私は後退する。 だけど、私の逃げ道は壁によって遮られた。 ヤバイ!! エロ怪獣にやられちゃう!! 絶体絶命を感じたその時 ――ピンポーン―― 来客を知らせるインターホンが鳴り響いた。 「……チッ……」 不機嫌そうに舌打ちをした蓮さんは、獲物を横取りされた猛獣の如く不機嫌そうだった。 そんな蓮さんと対照的に ……助かった……。 私は胸を撫で下ろした。 その時、時計の針は10時ちょうどを指していた。 私を窮地から救ってくれたのは約束の通りの時間に現れたケンさんだった。 インターホンを押したにもかかわらず 「おっはよ~」 ケンさんは私達が出迎えるよりも先に部屋に入ってくる。 そして、キッチンにいる私達を見るなり 「お前ら、なにやってんだ?」 不思議そうに首を傾げた。 「なんでもねぇーよ」 不機嫌さを隠そうとしないエロ怪獣と 「……」 無言で曖昧な笑みを浮かべる私。 「なんだ? てか、美桜ちん」 「え?」 「なんで眉毛半分しかねぇーの?」 ケンさんの質問で私はメイクの途中だったことを思い出した。 「……あっ!!」 慌てて両手で眉毛部分を隠してリビングに戻った私は、隠れるようにして途中だったメイクを再開した。 「まだ準備の途中だったんだな」 「う……うん、ごめんなさい」 苦笑気味なケンさんに謝っていると
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