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『笑うことと涙を流すのを同時にしたらW効果で美桜ちんもすげぇ元気になるんじゃね?』
「笑う事と泣く事を同時に?」
『あぁ。要は美桜ちんを爆笑させればいいんだろ?』
自信満々のケンに
『それ、まちがってねぇーか?』
って、突っ込みたかったけど、俺は敢えてその言葉を飲み込んだ。
ケンの言っている事には確かに違和感を覚える。
でも、根本的にはそれで合っているのかもしれない。
もしかしたら、ケン達と花見をすることで、美桜の気分も晴れるかもしれない。
そう考えた俺は「ケン」
『うん?』
「今日、美桜に聞いてみる」
ケンにそう告げた。
『おう』
ケンは満足そうに答えた。
「でも、もし美桜が行きたくないって言ったら……」
『分かってるって。そん時はそれでいい。こういう事は美桜ちんの意思をいちばんに尊重するべきだからな』
ケンの言葉に俺は胸を撫で下ろした。
「分かった。今日にでも美桜に話してまた連絡する」
『了解』
電話を切った俺は少しの不安と大きな希望を感じていた。
もしかしたら、これがきっかけになって美桜と俺は前に進む事ができるかもしれない。
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