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漸く、ケンが言葉らしい言葉を発した。
その口調は、漸く謎が解け納得できたとでも言いたげなものだった。
「まぁな」
『んで? お前的にはどう思ってんだ?』
「俺?」
『あぁ、美桜ちんに話したことを後悔してんのか?』
「……」
答えることができなかったのは、少なからず後悔しているから。
あの時は、少しでも美桜の心の傷を癒したいと思った。
母親に愛されたことが無いと言う美桜に、期間の長短は別にして愛されていた時間が確実にあったということを教えたかった。
だけど、俺の行動は結果として未だに美桜を悩ませるものになってしまった。
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