第1章

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真剣に相談に乗ってくれたケンには申し訳ないけど、美桜の気持ちを一番に優先させてやりたい。 そう、思った俺は美桜の言葉を待つことにした。 しばらくの間、何かを考えていた美桜がふと視線を俺に向けた。 「蓮さん」 「ん?」 「……みたい……」 「え?」 「私、お花見に行ってみたい」 美桜はにっこりと穏やかな笑みを浮かべた。 「行くか?」 「うん!!」 美桜の満面の笑みを俺は久しぶりに見たような気がした。 その日から、美桜はいつもより物思いに耽る時間が減り元気になったような気がした。 その姿はどことなくワクワクとしているように見えた。
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