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「……ん……」
蓮さんの眉間にうっすらと皺が寄る。
私は2つの想いを抱きながら蓮さんを見つめる。
その無防備な寝顔をもう少し見ていたいという想いと
その漆黒の瞳に私を映して欲しいという想い。
2つの相反する葛藤の中、私はとても穏やかな気分で蓮さんを見つめていた。
ゆっくりと開く瞼。
漆黒の瞳が顔を覗かせる。
どうやら後者の想いが叶えられたらしい。
漆黒の瞳が私の顔に向けられる。
「……美桜……」
低く掠れた声が私の名前を呼ぶ。
「うん?」
「起きてたのか?」
「ついさっき起きた」
「そうか」
「うん」
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