第1章

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「……ん……」 蓮さんの眉間にうっすらと皺が寄る。 私は2つの想いを抱きながら蓮さんを見つめる。 その無防備な寝顔をもう少し見ていたいという想いと その漆黒の瞳に私を映して欲しいという想い。 2つの相反する葛藤の中、私はとても穏やかな気分で蓮さんを見つめていた。 ゆっくりと開く瞼。 漆黒の瞳が顔を覗かせる。 どうやら後者の想いが叶えられたらしい。 漆黒の瞳が私の顔に向けられる。 「……美桜……」 低く掠れた声が私の名前を呼ぶ。 「うん?」 「起きてたのか?」 「ついさっき起きた」 「そうか」 「うん」
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