side 渉

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そう言うと、兄さんの細い肩が少しだけ揺れた。 「兄さんをひん剥いて、泣かせて、身体中苛めても、嫌いになれない」 「やめろ」 「……好きなんだ。兄さんを」 嫌いになれない。 それどころか乱れる兄さんに欲情する。 白い肌が高揚したり、俺の跡が肌に浮かび上がったり、ポロポロと泣く姿は艶めいていて、狂おしくなる。 狭くてぎゅうぎゅうと締め付けられながら、兄さんと繋がるのは滅茶苦茶気持ち良い。 快楽か痛みか分からないけど、身体がしなる度に口づけしたくなる。 俺は小さな頃から、この綺麗な兄さんに欲情していたんだ。 ずっとずっと手に入れたかったんだ。 10分間の試合が終わる。 「兄さん」 びくっと肩を震わせた兄さんがコントローラを落とす。 結果は俺の勝ち。 「また次3連勝頑張ればいいよ」 「――っ」 「顔、こっちに向けて」
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