side 渉

17/25
前へ
/33ページ
次へ
下からガンガンと腰を打ち付けると、兄さんは何度かめでへたりと俺の肩に倒れ込んだ。 荒い息と、微かに泣く声がする。 わざと音を立てて打ち付けて、萎えた兄さん自身をギリギリと握りしめたり爪を立てる。 女みたいに俺に抱かれて、 女みたいに喘がされて、 感じて乱れて涙を落とす。 「泣かなくていいよ。あんな無理矢理突っ込んだり、処理しないで放置なんてしない。もう優しくしかしないんだから」 「……うぅっ」 嗚咽を上げる兄さんの髪を撫でる。 しっとりと濡れた背中をなぞりあげる。 ビクビクとのげぞり、ぎゅうっと締め付けていく。 「好きだよ。兄さん。離れないなら優しくしてあげる。兄さんの気持ち良い事しかしないよ?」 「んっ……。やだ。やだやだやだやだ!」 ぎちぎちに締め付けられたその中に指を1本入れてみた。 痛いとポロポロ泣くくせに、兄さん自身が芯を持ち始め、とうとう先からとろりとこぼれ出す。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加