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はぁはぁと二人の荒い息だけが響く室内で、
兄さんは両腕で顔を覆い隠して息を整えていた。
近くを見ても拭くものが何も無くて、仕方なく俺の服を脱いでその服でお腹を汚したものを拭き取る。
結局ゲームは最初のキャラ選択画面に戻っている。
「兄さん、お茶」
「…………」
じっと俺を見つめるが、差し出したお茶を受け取ろうとしない。
――じっと見上げるだけ。
「何見てんの?」
お茶を飲み干しながらそう聞くと、かすれた声で俺を見る。
「――俺をレイプして笑ってる男を見てる」
そう言ってハラハラと涙を流す。
「レイプじゃないじゃん。気持ち良かったろ?」
二回もイッたくせに、被害者面するなんて。
「自分が気持ち良いだけの独り善がりだ。女にもいつも自分本位なのか?」
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