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「……」
そんな目で見られたら、俺の言葉なんてもう何も信じないだろ?
「俺もお前を見捨てた事は、もう言い訳しない」
言い訳してよ。
優しくしたい。
優しくしたいよ、兄さん。
近づいて手を差し出したら、びくりと後ろへ下がった。
――立ち上がるために手を貸したかっただけなのに。
「食べたくないなら、食べなくてもいいよ。
憎いなら憎いままでいいよ。
俺を否定したかったら否定すればいいし。
――首絞めて殺したいなら何時でもどうぞ?」
その言葉に、目を見開いて兄さんが驚いた。
俺が本当に眠ってたと思ってたのかな。
「やっぱ夢じゃなかった、か」
ククッと笑うとお粥を足で踏み潰した。
足の裏につめたく広がるお粥を擂り潰すように床に押し付ける。
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